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トンネルを抜けるとそこは参照エラーであった。

ScratchDay 2024 in UTokyo に行ってきました。

先週の日曜日 (5/19)、東大の五月祭の裏で開催された「ScratchDay 2024 in UTokyo」の2日目に一般来場者として参加してきたので、ここではその記録を書くことにする。

公式サイトはこちら。

scratchday2024utokyo.my.canva.site

会場はどこに?

今回の開催場所は、「東京大学本郷キャンパス内の情報学環オープンスタジオ|中山未来ファクトリー」。だた、東大正門でもらった五月祭のパンフレットにはそんな場所は載っていない。

それもそのはず。今回の Scratch Day ScratchDay 2024 in UTokyo は、五月祭の公式イベントではなく、開催場所の「情報学環オープンスタジオ|中山未来ファクトリー」は非公開扱いになっていたのだ。

一般来場向けのメールによると、医学部広場交差点前が集合地点とのこと。少し待っていると、Scratch でお馴染みのあの「緑の旗」を持ったスタッフの方がやってきて会場まで案内してもらった。

五月祭会場の裏側にひっそりと案内板が…
受付

パネルディスカッション

2日目のプログラムの最初はパネルディスカッション。「 Scratcher はどこからきてどこへ向かうのか」をテーマに、様々なきっかけで Scratch に出会い、その環境でどのような経験をしてその後どのような選択をして現在に至るのか、そして今後何に向かって進んでいくのかについて、現在高専生や大学生、社会人となった Scratcher の方々と一緒にパネルディスカッション形式で会場と共有がなされた。

パネルディスカッションステージ

Scratch に初めて触れたのは小学生のときだ、という方がほとんどで、そこで培った創造力や論理的思考力といったものが将来的な進路や就職の場で役立っているという。また、パネリストの方々が昔に作った作品も紹介されていた。決して最初からオリジナルで独創的なものを作っていたわけではなくて、「ゲームや動画などで見たものを自分で再現して作ってみた」という方が多かった。自分で作ってみることで仕組み亜が分かったり、さらなる創作意欲がかき立てられたりするようだ。

このようにパネリストの方々それぞれの、今に至る色々なバックグラウンドの話を聞くことができとても興味深い時間であった。

ポスター・デモ展示

続いてはポスター・デモ展示。小学生から社会人の方まで幅広い世代の Scratch の作品や IoT を利用したロボット、研究活動の成果などがポスターを交えて紹介されていた。

展示されていた作品をまとめた Scratch スタジオはこちら

個人的に惹かれた作品を2つほど。

まず、 yo-to さんの「音を奏でて小さなロボット(toio)を動かす!」だ。これは Scratch は直接関係しないのだが、toio という手のひらサイズのロボットを、ハンドベルや卓上ベルなどの音によって制御させるというデモである。 Scratch 上での紹介用プロジェクトはこちら

制御させる音の検知には機械学習によって学習されたモデルが使われているのだが、この学習から推論までをなんとブラウザ上で行うことができるようだ。詳しい説明はyo-toさんが書かれたQiitaの記事を参照してもらいたいのだが、Googleが開発したTeachable Machineを使うことで、音声や画像認識の学習をブラウザ上で手軽にできるとのこと。

qiita.com

機械学習をやるとなると、どうしても環境構築をしなければならなかったり、大量の計算リソースが必要になったりするなどハードルが高いと感じていたのだが、ブラウザで完結するというのはとても大きいポイントではないだろうか。ちょっと自分もやってみたくなってしまった。

次に、kw2022jpさんの「RUN THE MAZE」だ。これは迷路の中をプレイヤーが動きながらゴールを目指すシンプルなゲームなのだが、一定時間が経過すると敵が現れてプレイヤーの動きをトレースしながら追いかけてくる。これが意外と難しくて、長い一本道で行き止まりとなり引き返そうとすると敵がやってきてゲームオーバー、のような展開が続出。しかも迷路は毎回ランダムなため、ルートの暗記も難しくなっている。

ゲームの流れ自体はシンプルなのだが、クリアできるまで何度もリトライしたくなるという意識を持たせる工夫がなされていてとても面白かった。ゲームを作るうえでこのポイントは結構重要なのではないかと思う。

参加してみた感想

去年は大学受験で参加を見送ったため、 ScratchDay への参加は2年ぶりとなった。会場を見渡して思ったのが、小中学生の割合が非常に多いということ。そのうち親子連れで参加している方がほとんどで、プログラミング教育というものに関心があって熱心なんだなぁと思ってしまった (一体誰目線なんだ?) 。

自分も Scratch に初めて出会ったのは小学5年生の頃だったと記憶しており、そのときに自分でブロックを組み合わせてモノを動かすということに面白みを感じたのがきっかけでプログラミングに興味を持ち、現在大学生になって情報系の道に進んでいる。やはり、些細なことでも小さいころから様々なことに触れてみることが大切なんだなぁと、パネリストの方々のお話も聞いて改めて感じた。

もう一つ、参加者の方と話していて思ったのは、何かを作るうえで重要なのは無理して最初から質を追求せずにとにかく手を動かしてみるという意識をもつこと、ということである。これは私がゲームを作るときに起こりがちなのだが、作りたいものの理想を追求しすぎる癖にそこまでの技術力もないので途中でモチベーションが下がっていき、結局お蔵入りになる...というケース。このせいで Scratch アカウントの私の作品タブには「Untitled」が50個ぐらいある。

そうではなくて、最初は最低限の構成だけを作成し、そこから徐々にデザインの向上なり新たな機能の追加なりをやっていく。つまり小さなゴールをいくつも設けつつそれらをひとつずつ達成していくことで、モチベ維持にもつながり楽しく開発ができるということだ。最近は忙しくてあまり開発できていないけれども、このことを意識して自分も改めてゲームやシステムの開発に挑戦してみようと思った。


ちなみに、 X でFF関係にある Poteto143 さんと oohara1910 さんと会場でエンカすることができた ( oohara1910 さんとはこれが初対面かな?) 。

いわゆる「スク友」というやつか。


ホワイトボードがあったので Meow と鳴いてみた。あと Scratch Cat がめちゃくちゃ上手い。
主催者の quamo さんに Scratch から贈られたというポスター。オシャレ。
ちなみに東大五月祭の看板はこんな感じ。

終わりに

ということで、今回は ScratchDay 2024 in UTokyo 2日目に参加した記録とその感想を書いてみた。

ScratchDay は毎年 Scratch の誕生日を祝って世界各地で開催されるイベントであり、日本でも主に東京で毎年開催されている。実は今週の日曜日 (5/26) にも、今度は青山学院大学の青山キャンパスで「ScratchDay 2024 in Tokyo」が開催される。こちらにも私は参加しようと思ってるので、興味のある方はぜひ。

day.scratch-ja.org