ゲーム発売から購入までの経緯
さかのぼること2週間前。任天堂からこんなゲームが発売された。
ミクといっしょに、おうちで楽しくカラダを動かそう!
累計販売本数250万本突破の「Fit Boxing」シリーズ最新作
基本機能はそのままに、初音ミクがパートナーとなり一緒にする「エクササイズ」に加え、ピアプロキャラクターズ楽曲の原曲でエクササイズが行える「ミクササイズ」が登場。
大好きな楽曲でミクといっしょにおうちで楽しくカラダを動かそう!
- Fit Boxing feat. 初音ミク -ミクといっしょにエクササイズ-(フィットボクシングfeat. 初音ミク)| Nintendo Switch
どうやら、初音ミクと一緒に、ボカロ曲を聴きながら家の中で体を動かすことができるらしい。
本作は「Fit Boxing」シリーズの最新作となるわけだが、シリーズ前作の「Fit Boxing 2」は2020年12月に発売されており、実はこれを私の母が2年間ほど毎日やり続けていたのである。また、女優の新垣結衣さんが出演するCMで話題となった「リングフィットアドベンチャー」も私の家にあり、これも母が2年ほどやりこみ続け、ストーリー3周目に到達しているのを見たことがある。
これらの作品は、コロナ禍で家にいることが多くなり運動不足を解消したい多くのユーザの需要に応え、我が家もその波に乗ったわけだが、正直私はあまり惹かれなかった。「リングフィットアドベンチャー」は専用コントローラーである「リングコン」の真新しさもあって、ストーリー最序盤こそプレイしたものの、それ以降続けるのが辛くなり3, 4日程度でやめてしまったのだ。「Fit Boxing 2」にいたっては母がプレイするのを横で見ていただけであって、私自身はプレイすらしていない。
そんな私の目に飛び込んできたこの作品。もともとボカロ曲が好きで、あの人気音ゲー「プロジェクトセカイ カラフルステージ feat.初音ミク」 (通称プロセカ) をリリース当初からプレイしていた私にとって、第一印象は
「これなら続けられるかも?」
であった。「リングフィットアドベンチャー」や「Fit Boxing 2」が続かなかった・やる気にならなかった要因として、「毎日運動することを習慣づける」ことのハードルが私にとって予想以上に高かったことが大きいと思う。しかし、今作の「ボカロ曲を聴きながら運動できる」というポイントが自分には刺さったのである。
早速、ニンテンドーeショップから購入してみた。
... というわけで、本記事では「Fit Boxing feat. 初音ミク -ミクといっしょにエクササイズ-」を実際にプレイした上で、各機能の解説と1週間続けてみた感想を書いていこうと思う。
これまでの運動遍歴
- 小学生までは週1で水泳を習っており、それなり活発であった。しかし、中学・高校で運動する機会といえば学校での体育の授業のみ。高校を卒業した今は、完全にその機会を失った。
- 普段は趣味のプログラミングをやっているため、特別な用事がない限り外出することはほとんどない。
実際にプレイしてみた
初めての起動からプレイヤーデータの設定
初回起動時に、簡単な操作説明を受けた後で自分の体格と目標体重の設定を行う。パスワード設定することでプライバシーデータの保護も可能。これらの設定は後から変更できる。
その後は、お試しでデイリートレーニングをすることになる。これをクリアすることでチュートリアルは終了だ。以降は自由にプレイが可能になる。
デイリートレーニング
トレーニングには大きく分けて2つのタイプがある。まずはデイリートレーニングについて。
メインメニューから「デイリー」を選択する。
ここでは、デイリートレーニングの運動強度を選択可能。私はだいたい「いつも通り」を選択している。2人プレイもできるそうだが、私は試したことがない。
運動強度選択後は今回のトレーシングメニューが表示される。
はじめに設定した運動目標や、選択した運動強度などに応じてデイリートレーニングのメニューが決定されるようだ。このメニューは日を追うごとに徐々にステップアップしていき、新たなモーションが追加されたり、曲の難易度が上がっていったりしているように感じた。ちなみに、各メニューは後述する「エクササイズ」で個々にプレイすることもできる。
私の設定では、「いつも通り」の場合、3曲構成で所要時間は15分程度。内容は「Fit Boxing」シリーズオリジナルの2曲と、ボカロ曲が1曲。
プレイ中はこんな感じ。思ったよりリズムに乗ってアクションすることが大切のようだ。
運動不足解消のために「Fit Boxing 初音ミク」をやっている。 とりあえず1週間続けてるけど、これは習慣化できそう。ただリズムに合わせるのが意外とムズい。#FitBoxing初音ミク #初音ミク #フィットボクシング #NintendoSwitch pic.twitter.com/v2FOlqmzDy
— ゆーりす.yaml (@Yuulis04) 2024年3月21日
1曲が終わるたびに、そのエクササイズでのアクションの結果や消費したカロリー、スコアなどが表示される。
一連のトレーニングが終わると、トータルのアクションの結果や消費したカロリーなどに加え、「カラダ年齢」なるものが表示される。18歳が下限らしく、実年齢から若返ることはなかった。
「デイリー」終了の証としてパンチをしておしまい。メインメニューのカレンダーにも記録される。
フリートレーニング (エクササイズ・ストレッチ)
続いて、フリートレーニングについて。
メインメニューから「フリー」を選択する。
大きく分けて「エクササイズ」「ミクササイズ」「ストレッチ」の3つのカテゴリがある。こちらも2人プレイができるらしい。「ミクササイズ」については次節で別に説明する。
エクササイズ
「エクササイズ」を選択。
好きなエクササイズメニューを選択する。アクションごとに分けられており、有効な体の部位もエクササイズによって違うようだ。一部のメニューは特定のエクササイズメニューをクリアすることで解放されるらしい。
エクササイズ中に流れる楽曲を選択する。「Fit Boxing」シリーズオリジナルの曲を選択でき、前作までの「Fit Boxing」「Fit Boxing 2」から引き継がれてきたおなじみの曲や、今作で新たに追加された曲があるらしい。私は今作がシリーズ初プレイなのでどの曲も新鮮であった。一部の曲はショップで購入可能 (後述)。再生スピードも調整できるらしい。
曲は一度に複数選択可能なようだ。
あとは「デイリー」と同じようにやるだけ。
ストレッチ
「ストレッチ」には「手軽に」と「しっかり」の2パターンがあるが、運動強度以外に大した違いはない。
「デイリー」や「エクササイズ」のようにアクションをするわけではなく、体の各部位をゆっくりとほぐしていく感じだろうか。
運動を久しぶりにやる場合は「デイリー」の前にプレイしたり、整理運動として毎日のプレイの最後に取り組むのが良いかもしれない。
エクササイズ (ミクササイズ)
本作の目玉である「ミクササイズ」について。
「ミクササイズ」を選択する。
「エクササイズ」のときと同じように、「ミクササイズ」中に流れる曲を選択する。現時点で収録されている楽曲は計24曲で、このうちいくつかは最初から解放されているが、それ以外は購入する必要がある。ただ、特定のアチーブメント (後述) を達成しないとそもそも購入できない楽曲もある。
運動強度による難易度の差は「エクササイズ」よりも大きく、出現するアクションのバリエーションも多種多様だ。
消失が解放できたので初見でやってみたけど、運動強度ライトでこれか... BPM速すぎてミクの動きも若干荒ぶってるw
— ゆーりす.yaml (@Yuulis04) 2024年3月22日
#FitBoxing初音ミク #初音ミク #フィットボクシング #NintendoSwitch pic.twitter.com/W970ZV1pYB
アクションは完全に楽曲に合わせて流れてくるので、テンポが速い曲だと指示通りに動くのも一苦労。運動強度「ヘビー」ともなるとアクションも複雑になるので、アクションを視認してからでは体が反応できないこともある (これは私が下手なだけか?) 。したがって、「ミクササイズ」をリズムに乗って完全に楽しむには、ある種の「譜面暗記」が必要かもしれない。もはや「体を動かすプロセカ」、つまり音ゲーである。
「ミクササイズ」終了後は、「エクササイズ」と同じような結果が表示される。
パートナー
ここからはサブ要素について。
「パートナー」では、ピアプロキャラクターズから「初音ミク」「鏡音リン」「鏡音レン」「巡音ルカ」の4人のうち1人をパートナーとして選択できたり、インストラクターやパートナーの衣装を変更できる。
ショップ
「ショップ」では、エクササイズで使用できる新たな楽曲や、パートナーの新たな衣装を購入することができる。購入には後述する「デイリーミッション」や「アチーブメント」の達成などで得られるポイントを使用する。ただ、ポイントの獲得機会は割と豊富なので、ポイントを貯めるためにわざわざ追加でトレーニングをする必要はないと思う。「デイリー」を毎日こなしていれば自然と貯まっていくだろう。
「エクササイズ」や「ミクササイズ」中に流れる楽曲を購入できる。
ミク達の衣装は、現時点では1人に対して3つが実装されている。これも一部の衣装はアチーブメントの達成が解放の条件になっているようである。
レクチャー
「レクチャー」では操作の方法などを確認できる。
特に「アクション」では、各アクションの動作を確認できる。直近の判定率も確認できるので、MISS や GOOD の判定が多いアクションは確認しておくといいかも。
マイデータ
「マイデータ」では達成したアチーブメントやこれまでの消費カロリーなどの推移といった各種データを確認できる。
デイリーミッション
「デイリーミッション」では、毎日3つのミッションが設定され、達成するとポイントを獲得できる。「デイリー」をやっていれば自然と達成できるものが多い。
その他の設定
様々な設定項目が存在するが、その中で重要そうなものをピックアップ。
判定調整
メインメニューから「設定」>「判定調整」を選択すると、アクションの判定調整をすることができる。特にテレビ画面でやっている場合は多少の遅延が生じるので、判定に疑問を感じたら変更することをおススメする。
とりあえず1週間続けてみた感想
良かった点
- ボカロ曲に合わせて運動をすることができる
やはり本作の目玉なだけあってここは満足。しかも各楽曲フルサイズ。うまくリズムに乗れると楽しい。
- デイリートレーニングが15~20分程度で終わる
これも地味に重要。運動習慣がない自分の場合、1日1時間も運動するのはキツイと思われる。家で手軽に運動できるのは良いところ。
- 上半身だけでなく下半身にも有効
ボクシングなので一見すると上半身の運動が中心のように思えるが、「アッパー」や「フック」は体をひねりながら行うので腰回りに、「ダッキング」や上下左右の「ステップ」は脚に効く
残念だった点
トレーニング中もミク達が指示を出して一緒にやってくれるのかと思いきや、主な指示出しは別のインストラクターが行い、ミク達が喋るのはメニュー画面での操作時やエクササイズ中のちょっとした掛け声のみ。VOCALOID の声は少々聞き取りづらいことを懸念しているためだろうか。タイトルで VOCALOID を前面に押し出していたので、ボカロファンとしては少し残念。
- 「ミクササイズ」で選択できる楽曲数が少ない
これはリリース初期だから仕方ないところもある。今後追加 DLC が配信されることを期待。
「ピアプロキャラクターズ」といえば本来「初音ミク」「鏡音リン」「鏡音レン」「巡音ルカ」「MEIKO」「KAITO」の6人を指すはずだが、なぜか今作に「MEIKO」「KAITO」は登場しない。
- 「ミクササイズ」中に発生する「虚無の時間」
「ミクササイズ」ではボカロ曲に合わせてアクションが設定されているため、曲によってはイントロ・間奏・アウトロにアクションが何も無い「虚無の時間」が発生する。この時間はただリズムに合わせて体を前後に動かすだけ。「エクササイズ」では最初から最後までアクションが詰まっているのでこのようなことは起こらないのだが...
ボカロ曲には高BPMの曲が多いため、アクションの間隔が詰まりがちになる。 Joy-Con のジャイロセンサーの精度も完璧ではないので、「ウィービング」→「アッパー」のように、場合によってはどうしても Just 判定が出せないコンボも出てくる (自分が不慣れな面もあるかもしれないが) 。設定で特定のアクションを除外できるので、それも一つの手。
おわりに
やはり自分の好きなものが含まれていると興味が湧いてハードルも低く感じられるのだろうか。残念だった点が多くなってはしまったが、運動の習慣化への導入という点でこの作品は自分とってかなりプラスに働いた。
最初の数日は、これまで運動してこなかったこともあってプレイ後に腕や肩の筋肉痛に苦しむこともあったのだが、昼食後の腹ごなしとしてプレイすることで適度な運動ができ、家でPCを弄っているだけの生活に良い感じの刺激がもたらされたように感じる。
とりあえず三日坊主は回避できたので春休み中は続けられそう。問題は4月以降大学が始まって忙しくなってからもこれが続くかどうかだが、今後のアップデートを期待してできる限り取り組みたいと思う。